メタバース業界別 活用事例 【教育・研修編】

メタバースを教育や研修に利用するメリットとして、次のような点が挙げられます。

  • 没入型体験: メタバース・VRは没入型の環境を提供し、学習者が実際に体験することでより深い理解を得られるようにします。これは、オンライン学習プラットフォームでは得られない経験です。

  • 実践的学習: 学習者はメタバース・VR内でシミュレーションや実験を行うことができ、理論だけでなく実践的なスキルを身につけることができます。これは特に、医学、工学、建築などの分野で有効です。

  • アクセシビリティ: 地理的な制約による影響を受けず、世界中のどこからでもアクセスできるため、多様な背景を持つ学習者が参加しやすくなります。

  • カスタマイズ可能な学習環境: 教育者は学習者のニーズに合わせてメタバース内の環境をカスタマイズでき、より個別化された学習経験を提供することができます。

  • コラボレーションとコミュニケーション: メタバースは学習者間、また教育者と学習者間のコラボレーションとコミュニケーションを促進します。仮想空間でのグループ活動やプロジェクトは、チームワークのスキルを育みます。

  • エンゲージメントとモチベーション: ゲーミフィケーションの要素やインタラクティブなコンテンツは、学習者のエンゲージメントを高め、モチベーションを維持するのに役立ちます。

教育・研修にメタバース・VRを活用するとき、メタバース・VRの利点のうち、何を重視するかを考える必要があります。「リアルと同じ環境を再現する必要があるのか」「距離を超えた人と体験をともにできるコミュニケーションを重視するのか」によって、実現方法が異なります。

危険な場所での訓練や、高価な機材が必要なトレーニングでは、メタバースで行うメリットがありますが、これらは「リアルに近い環境を用意する必要」があります。


教育・研修 メタバース活用事例
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    VICTORYXR

    VictoryXRは、生徒などユーザーが、VRやARを通じて学ぶ環境を提供しています。リアルのキャンパスをデジタルツインにした学習環境で、工業や理科など、実際に行えない実験などを没入環境でできるようにしています。

    • VXRLabs: 完全没入型のプラットフォームで、教育体験と共有スペースの広大なコレクションを個人またはマルチプレイヤーで利用できます。
    • VXRWeb: AR/VR体験を提供しないウェブアプリケーションで、PC、Chromebook、Macで3Dコンテンツとの対話が可能です。
    • メタバーシティキャンパス: 20以上の高等教育機関と協力し、メタバース内でのデジタルツインキャンパスを開発しています。
    • VRでの法医学: VRで法医学の分野に没入する体験を提供します。
    • キャリア&技術トレーニング: 看護助手、医療助手、大工仕事、溶接、ロボティクス、ドローン操作など、さまざまな分野でのキャリアと技術トレーニングをVRで提供しています。
    • 混合現実学習(VXRFusion): 混合現実化学ラボを通じて、学生が化学元素、反応、装置と対話し、それらを探索できる没入型3D学習環境を提供します。

    SimLab VR Studio

    SimLabソフトは、コーディング不要でVR(バーチャルリアリティ)環境を作成できるツールです。初心者から専門家まで、ユーザーフレンドリーなプラットフォームを提供しています。

    医療、職業訓練、安全、製品デモ(家具、自動車、インテリアデザイン、電子機器、機械)など、様々なセクターで採用されており、学校、大学、研究所、ビジネス、エンターテイメント(ゲーム、公演、観光、瞑想)などの業界を没入型のバーチャルワールドで利用されています。

    • 30種類以上の3Dファイル形式をインポートし、簡単にアニメーションを作成。
    • 数クリックでオブジェクトをインタラクティブに。
    • コーディング不要でロジックとインタラクションを定義。
    • VR体験にリアルなビジュアルエフェクトを追加。
    • 大量の無料3Dモデルライブラリ。
    • インタラクティブなクイズや調査を設計。
    • LMS(学習管理システム)やLRSと統合。
    • シーンの照明や環境を簡単に調整。

    ANA

    ANAは、「ANA VR Safety Training System」を導入して整備士の作業安全向上を目指し、労働災害ゼロを目標としています。このシステムはVR技術を活用し、航空機整備時の危険予知能力を向上させる訓練で、実際の労働災害事例を元に作成された内容で危険な状況を疑似体験します。整備士はVR内で安全動作を学び、誤動作による転倒や転落を体験することで危険予知を実践し、安全性の向上を図ります

    Walmart

    • Walmartは全米のWalmartアカデミーでのトレーニング向上のために、従業員トレーニングにVRを導入しました。このプログラムの大成功を受けて、同社は米国内の全店舗にOculus VRヘッドセットを提供し、100万人以上のWalmart従業員に同等レベルのトレーニングを提供します。VRトレーニングは、新技術、共感や顧客サービスのようなソフトスキル、コンプライアンスの3つの主要分野で従業員を訓練するために使用されます。VRは実践的な経験を提供し、従業員の自信と知識の保持を高める効果があり、安全な環境での学習を可能にします。
    • ブラックフライデーのような需要が爆発するショッピングイベントに備えた準備にもVRが用いられています。このプログラムは、従業員が実際の売り場で繰り返しスキルを磨くことができるデジタル、オンデマンドVR体験を提供します。元々、フットボールのトレーニングでのVRの成功を目の当たりにしたWalmartのデジタルオペレーションシニアディレクター、Brock McKeelによって導入されたこのイノベーションは、約4700店舗の全米のWalmartストアに拡大されました。VRトレーニングを受けた従業員は、顧客サービススキルを含む様々な分野で、従来のトレーニング方法と比べて知識の保持率が10から15%高くなるなど、トレーニングの効果が顕著に改善されました。

    VRトレーニングの様子

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