Roblox事例:NIKE & GUCCI
RobloxのNIKEとGUCCIの事例を視察に行き、ディスカッションしました。17Campusでは毎月1回、にゃんたび部の活動として様々なバーチャルワールドに遊びに行きます。どなたでもご参加いただけます。イベント一覧はこちら。
Robloxは、ユーザーが自分のゲームを作成し、他のユーザーが作成したゲームをプレイできるオンラインプラットフォームおよびゲーム作成システムです。2006年にDavid BaszuckiとErik Casselによって設立されました。
NIKE、GUCCIなどの有名ブランドが多数進出し、その世界観をユーザーに伝え、ユーザーとのコミュニケーションをとりながら、ブランディングやデジタルマーケティングに成功しています=「体験型広告」と呼ばれます。
Robloxとは
- 世界中で人気のゲーミングプラットフォーム
- 2004年米国で設立、21年3月ニューヨーク証券取引所に上場
- Roblox Studioを使って、自分自身でゲームを作成して公開できる
- ゲーム版YouTube
- 1日のアクティブユーザー数 7150万人(2023年12月)
- 総ダウンロード数3億8300万
- プレイヤーの半数は13歳以下の小学生
- 開発者であるDavid Baszuckiが教育ソフト開発に携わっていたため、教育的側面が強い
- 海外では、積極的にプログラミングの学習として利用されている
Robloxの特長
- ユーザー生成コンテンツ: Robloxでは、ユーザーが自らの想像力でゲームやアクティビティを作っています。これにより、非常に多様なゲーム体験が提供されます。
- プログラミング言語: Robloxは、Luaというプログラミング言語を使用しています。これは比較的学習が容易で、若年層のユーザーでもゲームや体験を作成できます。
- クロスプラットフォーム対応: Robloxは、PC、Mac、iOS、Android、およびXbox Oneでプレイ可能です。これにより、異なるデバイスを使用するユーザー間でも共有や交流が行えます。
- バーチャルエコノミー: Robloxは、Robuxと呼ばれる仮想通貨を使用しており、ユーザーはゲーム内でアイテムを購入したり、自分の作成したゲームやアイテムを通じてRobuxを稼ぐことができます。
- ソーシャル機能: 友達を追加したり、チャットで交流したりすることが可能です。これにより、コミュニティの形成が促されます。
NIKE LAND
NIKELANDでは、ナイキのファン同士が繋がり、一緒にデジタルファッションを楽しんだり、ミニゲームを楽しむことができます。
みんなでワイワイと試着しました。この靴、かなりリアル感ありますね。実際に店頭でNIKEの靴に興味がなかった人でも、こうやって画像を選び、自分のアバターに履かせてみると「これいいな」「これちがうな」という「自分の好みをジャッジ」できます。これが、好きなものを精査する、または好きなものを発見する体験になっていそうです。わたしはオレンジの靴が可愛いなーと思いました。
これらミニゲームの良さは、まずは友達と遊べることですが、スポーツをするということは、限られた人たちにとっての機会です。それを体験できることで、スポーツそのものへの愛着や興味をもたせる、そういったことに繋がりそうです。部活でスポーツをしている人であれば、見慣れた光景ですが、それ以外の人やスポーツが苦手な人でも、ゲームであれば、また違った体験として楽しむことができる。「得意」「不得意」の軸を変えることで、より多くの人の関心を引き出す、そういったブランド体験でしょうか。
GUCCI TOWN
GUCCI TOWNは入ると、ショップ、ギャラリーの他、ミニゲームが楽しめるワールドへ行くことができます。
若者のブランド離れなどと言われますが、バーチャルショップであれば、入るのは簡単です。GUCCIの実店舗に入ったことがない人でも、「可愛いな」と思えるようなデザインを作っているのでしょう。このピンクや白のバッグ可愛い。そして一部は「売り切れ」表示がしてありました。限定アイテムをうまく活用することは、バーチャルでも同じなのでしょう。これらのアイテムは試着することができます。
記念撮影したあとは、ミニゲームエリアへ。空港でGUCCIのバッグをカートに積んで、各ゲートに運ぶという。。
考察
NIKE、GUCCIの事例を見ながら、この「体験型広告」に対する取組について、意見交換しました。
- 若年層が多いRobloxに進出する意義としては、アメリカでは子どものときに好きになったブランドを大人になっても好きになるという統計があるそうで、それを元に若年層のうちから、「とにかく名前を覚えてもらう」ことが重要なのではないか
- ビジュアルがチープで、とてもハイブランドを購入する意欲につながっているとは思えない
- ブランド思考というのは、親から子へ伝わるもの。「親子で遊べるゲーム」を通じて、親子で同じ体験を持つことでブランドロイヤリティを世代間で伝えていくと思える
- ファッションを変えるだけでも、とにかく楽しい。
など、意見が飛び交いました。
わたしは、時代が、「価格」よりも「時間」を重視するようになっているなと感じています。
コスパ、はよく聞きますが、タイパということが最近言われています。
つまり、情報があふれるこの時代において、自分が好きなことに時間をかけるということですね。そのため、NIKEやGUCCIのように、いかにユーザーに滞在してもらうかという「時間獲得」戦略なのではないかと感じました。
そういう意味では「ゲーム」が有効ですね。
(GardenBee)