Spatial(スペーシャル)とは?メタバース・VRのプラットフォームでもあり、ゲーミングプラットフォームでもあります。ユーザーが3Dで製作したコンテンツを、無料で公開することができます。
わたしGardenBeeは、Spatialの日本人唯一の公式ガイドとして活動しています。Spatialは2023年に「メタバース」から「ゲーム」へと戦略変更を行い、日本人の間でも、賛否両論ありました。しかし、ビジネスというのは「利益を出せない」と、継続ができません。Spatialが利益を求めて方向性を変えたとき、利用をやめる、何ができるのか考える、意見をあげる、どのような選択肢も、ユーザーとして、私達は持っています。
わたしの立場としては、さまざまなプラットフォームを使いながら、Spatialを使うメリット・デメリットを整理してきましたので、まとめます。(2024年3月3日時点)
※この記事は、わたしが一ユーザーとして書いているものです。Spatialの公式見解ではなく、わたし個人の勝手な意見として読んでください。
Spatialとは?
そもそも「Spatial(スペーシャル)って何?」という方は、「Spatialについて」をご覧ください。その特徴やアカウント作成方法について、解説しています。
インターネット上の3Dスペース
下記は、わたしたちがSpatial(インターネット上の3Dスペース、バーチャルスペース)に構築したレース場です。車に乗って一周するとコインがもらえて、そのコインでさまざまなアイテムがもらえるようになっています。東京キティサーキットシリーズとして展開してきましたが、この17Campusに統合予定です。
このように、インターネット上に3Dのスペースを構築でき、ユーザーに体験を提供できるのがSpatialをはじめ「メタバースプラットフォーム」と呼ばれるサービスです。
下記の画面をクリックして、WASDキーを押すとアバターを動かせます。
Spatialがメタバースからゲームに行った理由と目指していること
一番の理由は「ユーザーがVRを使っておらず、パソコンからのアクセスが圧倒的に多い」という事実だと理解しています。Spatialはもともとは、MRに近いコンセプトやVRを目指していましたが、VRが普及せず、Web3の流れにのってNFTギャラリーを作成する場所として方向転換しました。
そして、ユーザーが実際にVRを使っていないのを見てゲームへ戦略転換。そこには、「ブラウザゲーム」市場があります。ここからは、わたしの仮説です。ブラウザゲームは、ゲーム市場の中でも5%と小さく、成功者が存在していません。と理解しています。それは、わたしたちも上記の「東京キティサーキット」を構築するときに「ブラウザゲーム」について調査して、そう感じています。
しかし、巨大なゲーム市場から考えると5%でも大きいです。Spatialは、ブラウザゲームのYouTubeのような「ユーザー投稿型」プラットフォームとして戦略を描いているのでしょう。
Spatialがゲームに行ったことに反対する人たちの思考
何を選択しても、一定程度、反対者がいるのは当然です。この選択に反対した人たちの思考は「プラットフォームから人を呼びたかった人たち」と捉えています。Spatialに限らず、プラットフォームの方向性に合わせてユーザーがやってきます。その、「プラットフォームに来てくれた人を、自分のスペースに呼んで集客しよう」と考えていた人たちにとって、この戦略転換は、歓迎できません。
これは、ネットショップで例えてみると、「集客を期待して、Amazonに出店する」発想です。実際に日本最大手のClusterでスペースを開設し、イベントなどをワイワイやってみたら、「フラッと人が来る」ことがあるでしょう。Spatialの場合、日本のプラットフォームではないことと、ゲームに舵切りしたため、もはや「フラッと遊びに来てくれる」は、期待できません。が、もともと、そんなに人もいなかったので、ゲームになる前後でそんなに大きく変わったかといえば、変わってないと思います。
マーケティングやデジタル活用をしている人たちにとっては、「そもそもフラッと人がくる」なんて期待できないですし、あてにもしてませんので、全く気にしてません。自分たちで集客しなければ、活性化できないと分かっている人たちは、Spatialがゲームに行こうが関係ありませんので、着々と、「自分たちに必要なこと」を行っています。
Spatialの特徴と問題点
特徴の一つは、「無限のスペースを法人でも無料で使える」ことです。これは、ビジネスモデルを考えるときに、大きいです。「有料セミナーを企画」することもできますし、「スペースを量産すること」による企画も可能です。例えば、日本の大学すべての同窓会スペースを、1個ずつ創る、なんて発想が無料でできるわけです。
また、「美しい」スペースが作れます。「美しい」とはどういうことでしょうか?これは、先日「meta銭湯」での調査でも結果に出ていましたが、美しいほど、体験がリッチになり、そこに集まる人達の感情に働きかけることができます。これは、VRの「没入感」とは異なり、さらなる実験が必要ですが、もし、「美しさ」が人の心理に大きな影響を与えるのだとしたら、そこで展開した方が良いビジネスというのが考えられます。教育、観光、カウンセリングなどもそうかもしれませんね。
一方問題点としては、サーバーが不安定なことと、音質が悪いことです。「当日、どうしてもサーバーが不安定だったら困る」ような重要なイベントは、わたしはSpatialで開くべきではないと思っていますし、開くのでしたら、ZoomやYouTube、録画配信など、バックアップ方法をもつ必要があるでしょう。また、音質は悪いですね。Clusterもそんなに良いとは言えませんが。。WorkroomsのようなVRミーティングアプリと比較すると、音の遅延が大きく、「ゆっくり、待って話をする」必要があります。
Spatialがゲームに行ったことで変わったこと
まず、Unityで使えるスクリプトの種類が圧倒的に増え続けています。ゲーム開発用に次々と提供されるVisual ScriptやC#などのコードを活用して、「ゲーム以外」へ応用することで、美しい中で、新しい体験を提供することができるでしょう。わたしが「17CampusをSpatialでやろう」と思った一番の理由はここです。ゲーミフィケーション × バーチャルワールドで、どのような新しい体験が作れるのか?試してみたい。
今、17Campusでは、「Basic認証プログラム」を購入いただいた人だけが参加できるプログラムを開発しています。下記は開発中のため、デザインは仮ですが、こういうこうとが実装できると、ユーザーの学び意欲、エンゲージメントが高まるかもしれません。かもしれません、というのは、こういうことはきちんと実験し、数字にしていく必要があると考えています。
FortniteやRobloxには勝てない
という意見も違うのです。目指しているのは、「ブラウザゲーム」の世界のため、市場が違います。日本にはよくブラウザゲームの「まとめサイト」があります。Spatialはブラウザゲームのプラットフォームとなり、そこで、ユーザーが独自のコンテンツを投稿できるというポジションです。ブラウザゲーム市場は、ユーザーを獲得し、維持し続けることが大変です。それは、ゲームのヘビーユーザーではないからです。ゲームが好きな人達はコンソールを買ってます。ブラウザゲームをする人たちは、コンソールすら!買わない人たちです。(わたしもそうですが。笑)そのユーザーを獲得し続けるプラットフォームができるのだとしたら、それはそれで、おもしろいと思っています。
結局は、クリエーターエコノミー
結局、Spatialは行うことは変わっていても、クリエーターを応援したいということは変わっていないのだと思っています。それは、今後3Dの世界が広がっていけば、3Dクリエーターさんたちが、自分たちでゲームを作って公開したいと思うでしょう。そこに、ブラウザゲームという「ライトなゲームユーザー」を提供できるプラットフォームとして位置づけていく。クリエーターさんたちが、自分たちのアイデアによるコンテンツで勝負する世界が好きなことには、変わりないと思っています。
「ゲームをつくりたいわけではない!」人はどうしたら?
Spatialがゲームを目指していることなんて、私達ユーザーには関係ありません。利用できるのは「無料」「どれだけでもスペースが使える」「美しいグラフィック」「プログラムできる」を利用して、何ができるか、考えていくのが良いと思いますし、そのためには、「プログラム」的な要素と、それによって「ユーザー体験にどのような影響を与えられるか」の実証実験が必要です。ですので、「17Campus」なのです。
ゲーム思考で、ユーザーに新しい体験を提供し、それをどのようにビジネスに役立てるのか、一緒にトライしませんか?
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